9日目 学校行きたくなさすぎて泣いた日

 

9日目。

 

連載小説のストーリー展開が降ってきたので、新作小説と並行して書き進められるようになった。

 

すごい進歩だ。でも、あと91日以内に書ききれるだろうか。いや、やってみせるさ。

 

長いようで短い期限。ケツに火が点く感覚は、夏休み終盤に似ている。

 

ところで、最近の学校は夏休みが8/31より早くに終わっているらしい。もう夏休みも終わりだなんて嘆いている学生さんたちが日本中にいることだろう。

 

うちの弟もそのクチで、この時間になって数学のワークとレポート2枚、人権作文に夏休みの思い出作文がまだ終わっていないときた。

 

ロックすぎるうちの弟はさておき、お察しの通り今日のタイトルは夏休み最終日のワイの話だ。

 

あれは中2の夏。

 

ワイは別にいじめられているわけでも不登校でもなかった。

 

友達はいないけど攻撃してくる人もいなかったので、学校生活はそこそこ快適だった。

 

部活さえなければ。

 

いや、部活自体はいいんだ。活動内容や、部員のみんなは面白くて好きだった。先輩は頼れるし、同級生はアホで、後輩は可愛かった。

 

でも、それを帳消しにしてお釣りが出るほど、顧問の先生が嫌いだった。

 

先生のことをより思い出そうとするときっと正気を保てなくなるので詳しくは書かないが、とにかく嫌いだった。

 

ワイの夏休みは、そんなクソ顧問から逃げ出せる貴重な時間だった。

 

素麺やスイカを食って夏を味わい、ブルーハーツのCDを1日中聴きまくり、家族で旅行にも行った。ギターを始めたのもこの頃だった。

 

荒んでいた心もいくらかマシになった。

 

薄汚れて擦り切れた心も、夏の魔法が浄化してくれた。

 

 

 

言ってる間に夏休み最終日。

 

せっかく、優しい気持ちになれたのに。

 

時間をかけて洗濯してやっと綺麗になった心を、学校が始まれば、今にもアイツの汚い足で踏みにじられる。

 

そう思うと悔しくなって、涙が出てきた。

 

あれは午後4時過ぎ、今にも消え入りそうなセミの鳴き声を聴いていたときのことだった。

 

……マジで学校行きたくねえ。

 

正直、今となってはそこまでのことかと思うのだが、あの頃のワイは今のワイなんかよりもずっと多くのものを感じて生きていたんだろう。

 

 

 

落ち着くためにブルーハーツの歌を流していると、やがて「スクラップ」という歌が流れた。

 

"クヨクヨしてもしょうがないから

 

ビクビクしてもしょうがないから

 

とりあえず今日 笑いながら

 

ドアを開いて 出ていくよ"

 

夏休み中に1000回は聴いたフレーズのはずが、全く新しい意味を持ってワイの全身を貫いた。

 

ワイは勇気を貰い、その通りにした。

 

ワイが学校に行くことを決めたのは、この歌のように強い人間だったからではない。

 

この歌のように強い人間になりたかったから、多少無理をしてでもドアを開けたのだ。

 

 

 

学校なんて行かなくてもいいよ、という言葉はワイよりすごい人たちがたくさん言っているので、あえてワイは逆張りをしたい。

 

学校に行かないならそれでいい。でも、もし一歩踏み出す勇気が欲しければ、その歌は何かの役に立つかもしれない。