36日目 べしゃり暮らし第一話のラストが納得いかないんだが…

 

べしゃり暮らしのドラマの第一話をアマプラで観た。学園の爆笑王こと高校生の主人公が、偶然出会ったキレキレツッコミ関西人とお笑いコンビを組む話だ。

 

全体のストーリーやテンポの良い関西弁の掛け合いは聞いていて面白かったが、ラストがなんともモヤモヤする納得のいかない終わり方だった。

 

漫画原作だからドラマ化するにあたってストーリーに皺寄せが来たのかもしれないし、単にワイがおかしいだけかもしれないから、どこが納得いかなかったのかを今から書いていくよ。

 

ここから第一話を振り返るためにストーリーをおさらいしていくので、ネタバレが嫌だったらこのページは閉じてほしい。まぁ大した情報はないんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よし。

 

まず、主人公の実家はそば屋で、そこにサインを飾らせてもらえればその芸人は売れるというジンクスを持つ、若手芸人御用達の店なんだ。壁にはサインがたくさん飾ってあって、父は客の芸人たちが好きだった。

 

主人公がまだ小学生くらいの頃のある日、父に認められた常連客の若手芸人が店にサインを飾らせてもらっていた。

 

おやっさん、今度この店のこと、ネタにしてもいいですか」

 

「バカヤロー、これ以上店が繁盛したらどうすんでい」

 

(大体こんな感じの)明るいやり取り。父も、若手芸人の活躍を願っていた。

 

その芸人がテレビで漫才をやるので、その様子を家族で店のテレビで観た。

 

「世話になっているそば屋がある」という前置きで始まった漫才。実際の店名まで出したので、当時小さかった主人公も「ホントに言った!」と大興奮。

 

世話なんかしてねーよ、と照れる父をよそに、テレビの中の芸人はこう言った。

 

「世話になってるからこんなこと言いたくないけどね、あの店、まぁーマズい!」

 

曇る家族。

 

その後も、あの店のおやっさんはトイレの後に手を洗わないなどと、事実無根のデマで主人公のそば屋を徹底的に貶めてこき下ろし、観客の爆笑をさらっていた。

 

漫才中に店名を出したため、風評被害で客足は激減。そば屋は経営難に陥った。厨房で客を待ち続ける父に代わって、母は生活費のためにパートを掛け持ちして家計を支えた。しかし、過労が祟ってパート中に倒れて、母はそのまま帰らぬ人になった。

 

ウケるために人を貶める嘘を平気でついて、客と最愛の妻を奪った「お笑い芸人」そのものを毛嫌いするようになった父。壁の芸人のサインはとっくに破り捨て、主人公が漫才コンテストなんかに出ると知った日には厳しく追及して主人公をぶん殴る嫌いよう。

 

そんなこんながありつつ、それでもお笑いが大好きな主人公はくだんの関西人とコンビを組んで、文化祭の漫才コンテストに出場する。

 

けど。コンテスト当日の出番直前、事件が起きる。人気者の主人公を妬ましく思っていた出番ひとつ前のコンビが、主人公たちのネタをすっかりパクったのだ。

 

ふたりは舞台袖で大慌て。ネタはあの一本だけだし、そのままやってもこっちがネタをパクったみたいになってダサい。

 

そこで、主人公が選んだのは「アドリブ」。お笑い王の自分が即興でボケるから、即興でツッコんでほしいと関西人に頼んだ。ここの主人公ムーブは普通にカッコいい。

 

出囃子に急かされて登場する主人公たち。ノリのいい挨拶でつかみは上々。さて、主人公はどんなボケをかますのだろう……

 

「今日文化祭ですけど、なんか寂しい教室ありましたね。あのー1年の、総合学習研究展示! なんやねん! あれ誰が見るねん!」

 

「言うたるなって! たしかにな、俺らもあそこで余裕でネタ合わせできたんですけど!」

 

観客爆笑。主人公も調子が付いてあることないことボケまくる。観客さらに爆笑。

 

ウケるために特定のものを貶める漫才。それは、母を殺し、父が憎んだお笑いそのもの。

 

集まった観客には大ウケ。審査員のプロの漫才師も吹き出してしまう。

 

主人公の漫才を見に来た父がいつ怒り出すかドキドキしながら観ていたけど、その父もヘラヘラ笑っている。

 

おかーちゃん死んでんだぞ。息子ぶん殴っといてなんなんだよ。実害なきゃなんでもいいのかよ。あんたは一番笑っちゃいけないだろ。

 

体育館に爆笑の渦を巻き起こした主人公たちの漫才は、大成功に終わった……。

 

 

 

……。

 

いやーうん。

 

研究発表って、誰も読まないかもしれないけどさ、書いた人はいるわけじゃん。その人の頑張りを馬鹿にするのってどうなのよ。

 

ワイも別に研究発表なんて進んで読みたいわけじゃないけど、それを頑張って書いた人には相応の敬意を払うよ。ふらっと立ち寄ったら目を通しはするし。

 

ワイも、研究発表とかどんなにめんどくさい作文でも、文章を書くとなれば真面目に書くし、少しでも面白く読んでもらおうと最大限に努力して嗜好を凝らす。

 

頑張って書いた発表を貶めるのは、やっぱりワイには受け入れ難い。本来やるはずのネタも人を貶める笑いでは全然なくて好感を持っていたから、なおさら。

 

そば屋の設定がなかったら何の疑問もなく観られたんだろうな。なまじネタにされた者の苦しみを見せられたものだから、誰にも怒られず、疑問を持たれず、完全無欠に大成功なんて虫が良すぎるように感じてしまう。

 

 

 

いや、いいよ。わかってるよ。どうせワイは陰の者。笑われる側だよ。漫才なんかやるやつと相入れないのは仕方ないよ。

 

でもなんか納得いかなかったからこうして書いた。これを同じような考えを持った人に読んでもらえたら、めんどくさい作文だったけど書いた甲斐があるというものだ。